元料理人による栄養士への道

料理人を経験したのち栄養士として保育園に勤務しています。同時に出張料理人、料理に関するイベントを不定期で開催しています!このブログでは日々の仕事の奮闘ぶりやイベント情報、料理や栄養に関するちょっとした知識を紹介しています!!

お出汁のお話その1

 こんにちは!

 和食調理に欠かせない出汁ですが皆さんどうしていますか?

 恐らく市販の顆粒出汁(いわゆる本だし)を使っているのが一般的で昆布や鰹節から出汁を一から取る家庭は少数だと思います。

 元和食の料理人の意見としては正直少し残念ではありますが仕方ない部分ももちろん理解しております。とにかく手間がかかり共働きが主流となりつつある現代、時短料理への関心が高まっているのが現実です。

 そこで!今回は顆粒出汁や一から取る出汁についていろいろまとめましたのでぜひご覧ください!

 

 

 

 

1.顆粒出汁の良いところ・悪いところ

【良いところ】

1‐1.失敗しにくい

 顆粒出汁は基本的に塩分も含まれており水に溶いただけでスープとして成り立ちます。なので醤油や味噌などの調味料を入れすぎなければまず失敗することはほとんどありません。なので料理が苦手な人でもある程度まではおいしく作れるのは大変ありがたいことでもあります。

 

1‐2.とにかく手間がかからない

 冒頭でも触れましたが料理に時間を割く余裕がない人には重宝するのが顆粒出汁。時短もそうですが鰹節や昆布を濾すためのざるや移し替える別の鍋がいらないので洗い物の量も減ります。

 

1‐3.保存が楽

 鰹節や昆布は乾燥物ですが長期保存すると酸化の原因となり本来の100%の力を発揮できません。顆粒出汁はたいてい密閉するためのチャックがついていたり1度に使いきれる量に小分けされているため湿気や劣化の心配がありません。また場所も取らないのでそういった意味でも保存には苦労はしません。

 

【悪いところ】

1‐4.味に個性が出ない

 「いや、おいしけりゃそれでいいじゃん!」と言われればそれまでですがどこの家庭も似たような味付けになり兼ねないのはちょっと寂しい気持ちになります。料理が好きという方は1から出汁を取ってみると料理にも幅が広がりもっと楽しくなると思うので挑戦してみてはいかがでしょうか?

 

1‐5.塩分過多の恐れ

 もともと塩分が含まれている液体にさらに調味料を加えるわけですから入れすぎは塩分の過剰摂取につながります。顆粒出汁は1gあたり約0.4gの塩分が入っており成人男性の1日の塩分摂取量は7.5g成人女性は6.5gです。それを加味すると入れすぎは良くないことがうかがえます。

 

1‐6.食品添加物の問題

 気にしているも結構いるかと思いますが、どうしても嗜好性を向上させたり保存性を高めるためには添加物は欠かせないものともいえます。日本では安全性が認められているものしか使っていないので普通に使う分には特に問題はないのですがやっぱり添加物と聞くと悪いイメージを持つ方が多いのが印象的なので上げさせていただきました。

 

 

2.顆粒出汁の使い分け

 1.のことを踏まえどういった料理に使うのが良いのかですが難しいとされている煮物は顆粒出汁を使うと難易度も落ちておいしいものができます。肉や野菜を煮込むことによって食材からも旨味が抽出されるので出汁の重要性が他の料理に比べ低いです。(一個人の見解です)

 一方であまりおすすめしないのが汁物です。出汁の旨味と香りが生命線になっているので重要性の高いものを市販のもので済ませると呈味性に限界があることは覚えていただきたいと思います。お味噌汁はまだいいですが澄まし汁などを作る際は出汁は自分で作ることをおすすめします。

 

 

3.出汁を使うのは和食だけではない!

 冒頭では和食に欠かせないと書きましたが洋食や中華にも出汁は使われています!牛骨や野菜の切れ端、皮などを丸ごと煮出すと旨味たっぷりのブイヨンが出来上がり、鶏ガラと香味野菜(ネギや生姜)を煮立たせるとラーメンなどで使う鶏がらスープができます。これらも立派な出汁であり各料理に深みを与えてくれます。

 ブイヨンや鶏ガラこそ市販のものが一般的でありコンソメや鶏がらスープの素は冷蔵庫に常備しているのがごく普通かと思います。出汁としてカウントしづらいですが旨味をプラスさせるという点ではウェイパーも中華料理に少し加えるだけで美味しいものに仕上がりますね!

 

 

 

 

長くなってしまいましたので続きは次回ということで、、、

ではまた!